F1最速のピット作業で12秒もかかった「ありえないミス」の真相
- 吉田 薫

- 4 日前
- 読了時間: 6分

なぜ世界最高峰のメカニックが「平凡なサラリーマン」になってしまうのか
〇あなたの職場にもいませんか?「やる気を失った優秀な人」
2025年10月26日、F1メキシコGP。レッドブルレーシングで信じられないことが起きました。
通常2.5秒で終わるタイヤ交換に、なんと12秒もかかったのです。しかも、ミスをしたのは世界最高峰のメカニックたち。年収数千万円、世界中から選ばれたエリート集団です。
「プロがそんなミスをするはずがない」
そう思うかもしれません。でも、これ、実はあなたの会社でも起きている現象なんです。
「昔はバリバリ働いていたのに、最近は最低限の仕事しかしないAさん」
「企画力があったのに、全然アイデアを出さなくなったBさん」
心当たり、ありませんか?
〇東大卒のエンジニアが「指示待ち人間」になった理由
ある大手銀行に、東大大学院でAIを研究していた優秀なエンジニアがいました。入社時は「銀行のDXを推進する」と意気込んでいた彼。
しかし3年後、彼は完全な「指示待ち人間」になっていました。
何が起きたのか?
入社1年目、彼は画期的なAI融資システムを提案しました。 上司の反応は「君、銀行業務を分かってないね。10年早い」。
2年目、もう少し現実的な提案を持っていきました。 「前例がない。リスクが大きすぎる」と却下。
3年目、彼は何も提案しなくなりました。 定時に来て、定時に帰る。言われたことだけをやる。
かつての「天才」は、ただの「普通の人」になっていました。
〇レッドブルで起きている「恐ろしい現実」
F1チーム「レッドブルレーシング」でも、全く同じことが起きています。
このチームには「マックス・フェルスタッペン」という絶対的エースがいます。そして、もう一人のドライバーは常に「2番手」扱い。データを見ると驚きの事実が・・・
過去5年間の重大ミス
フェルスタッペンのピット作業:2回
セカンドドライバーのピット作業:18回(!)
同じメカニック、同じ設備、同じ訓練を受けているのに、なぜこんな差が?
答えは簡単。「どうせ2番手は犠牲になる」という暗黙の了解があるからです。
〇「やってもやらなくても同じ」症候群
心理学で「学習性無力感」という言葉があります。
何をやっても状況が変わらないと学習すると、人は努力することをやめる
レッドブルの2番手担当メカニックの心理はこうです:
完璧な仕事をしても、チーム戦略で犠牲になる
ドライバーの順位は上がらない
評価もされない
なら、なぜ全力を出す必要があるのか?
これ、あなたの会社でも起きていませんか?
営業2課の悲劇
営業1課:花形商品担当、ボーナス最高評価
営業2課:地味な商品担当、どんなに頑張っても評価は「普通」
結果、営業2課の社員は「最低限」しか働かなくなる。
〇年収2000万円のエンジニアが集中力を失った瞬間
レッドブルのエンジニア、リチャード・ウッド。彼は年収2000万円超、世界でもトップクラスのレースエンジニアです。
しかし最近、明らかに集中力を欠いています。無線での指示も曖昧、判断も遅い。
なぜか?
彼の仕事は「世界チャンピオンを支える」ことではなく、「2番手ドライバーを犠牲にする」ことだから。
プライドの高いプロフェッショナルにとって、これほど屈辱的なことはありません。
〇あなたの会社の「隠れた損失」を計算してみた
もし、社員の30%が「やる気を失った優秀な人材」だったら?
中堅企業(社員300人)の場合
やる気を失った社員:90人
本来の生産性:1人年間2000万円
現在の生産性:1人年間800万円
損失:90人 × 1200万円 = 年間10.8億円年間10億円をドブに捨てているのと同じです。
これ、大袈裟だと思いますか?
でも、以下の項目に3つ以上当てはまる会社は、確実にこの状態です:
□ 特定の部署だけ離職率が高い
□ 「どうせ...」という言葉をよく聞く
□ 提案の数が年々減っている
□ 会議で発言する人が固定化している
□ 「それは俺の仕事じゃない」が口癖の人がいる
〇日本企業の7割が「人材を腐らせる装置」になっている
衝撃的なデータがあります。
優秀な人材の入社3年後の状態
アメリカ企業:パフォーマンス120%に向上
中国企業:パフォーマンス115%に向上
日本企業:パフォーマンス70%に低下
つまり、日本企業は人材を成長させるどころか、劣化させているのです。
〇なぜ優秀な人ほど「ダメ社員」になるのか
理由は明確です。
優秀な人ほど、理不尽さに敏感だから。
理想と現実のギャップに苦しむ
「変えよう」と努力する
組織の壁にぶつかる
諦める
最低限の仕事だけする
凡庸な人は最初から期待していないので、ダメージは少ない。 でも優秀な人は、期待が大きい分、絶望も大きいのです。

〇「人を活かす会社」と「人を殺す会社」の違い
✖人を殺す会社の特徴
レッドブル型(階級固定型)
エース社員とその他で扱いが違う
「君にはまだ早い」が口癖
失敗すると延々と言われ続ける
結果:優秀な2番手が腐る
◎人を活かす会社の特徴
Google型(挑戦推奨型)
失敗を「学び」として評価
20%は好きなことをやっていい
役職に関係なく発言できる
結果:全員が120%の力を発揮
〇今すぐできる「組織の解毒」3ステップ
ステップ1:「腐っている人材」を見つける
以下の特徴がある人は、元優秀な人材の可能性大:
定時ぴったりに帰る(昔は残っていた)
会議で発言しない(昔は積極的だった)
「はい、はい」と聞き流す(昔は食い下がっていた)
ステップ2:小さな成功体験を作る
小さなプロジェクトを任せる
必ず成果を褒める
「あなたのおかげ」と明確に伝える
ステップ3:環境を変える
部署異動
役割変更
新しいチームの立ち上げ
環境が変われば、人は必ず変わります。
〇最後に:あなたの会社は大丈夫ですか?
レッドブルのような世界最高峰のチームでさえ、組織の構造的問題で優秀な人材を腐らせています。
日本企業の現場では、もっと深刻な状況が起きているはずです。
今、あなたの隣にいる「やる気のない人」。
その人は、本当に「ダメな人」でしょうか? それとも、組織に「ダメにされた人」でしょうか?
もし後者なら、それは会社にとって年間数億円の損失です。
そして何より、一人の人間の可能性を奪う罪です。
変えるなら、今です。 明日では、もう手遅れかもしれません。
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