🌍 世界の職場に忍び寄る“静かな崩壊”──マネージャーが限界に来ている
- 吉田 薫

- 5月2日
- 読了時間: 5分

「最近、うちの課長ちょっと疲れてない?」
そう感じたことがある方に、ぜひ知っていただきたいデータがあります。
それは単なる“気のせい”ではなく、世界同時進行で起きている現象なのです。
✅ 働き方改革の“見落とされた盲点”とは?
世界最大級の職場調査会社である Gallup(ギャラップ) の最新レポート『State of the Global Workplace 2025』によると、いま、マネージャー層の“心の燃え尽き”が深刻化しています。
しかも、これはアメリカや日本に限った話ではなく、全世界的に進行中の“静かな職場危機”です。
📉 数字で見る「マネージャーの崩壊」
世界全体のエンゲージメント率:21%(前年比 -2pt)
最大の要因:マネージャー層のエンゲージメントが30% → 27%に急落
特に深刻なのは:
35歳未満の若手マネージャー:-5pt
女性マネージャー:-7pt
つまり、“管理職になったばかりの人”が、真っ先に心を折られているのです。
🧠 管理職のリアル:「上からは圧、下からは不満」
Gallupが聞き取ったマネージャーたちの本音:
「上は成果だけ求めてくる。下からは“共感してくれ”と言われる。その板挟みに心が潰れそうです」— サウジアラビア/マーケティングマネージャー
「6人チームだったのが2人に削減。でも成果目標は変わらない」— 南アフリカ/現場マネージャー
「部下の不安や怒りを吸収し続けて、気づいたら自分が壊れかけていた」— 韓国/技術系マネージャー
⚠️ 放置すれば、職場全体が“連鎖崩壊”する
マネージャーのやる気が下がると、チーム全体が連鎖的に崩れます:
メンバーのエンゲージメントも急落
顧客対応・業務品質が低下
欠勤・離職が増加
業績が落ち、企業文化も崩壊
Gallupは、この影響による世界経済の損失を年間4,380億ドル以上と試算しています。
🌱 解決のカギは「マネージャーを支える文化」づくり
Gallupはこの状況に対して、3つの非常に実行可能な対策を提示しています。ここでは、それぞれを現場で“明日からできる”レベルに落とし込んで解説します。
① 最低限のマネジメント教育を全マネージャーに
多くのマネージャーが「教わらないまま現場で走り出している」状態です。Gallupは、「最低限の研修だけでも、職場崩壊を食い止められる」と提言しています。
📘 現場で実行しやすい3つの“即効”研修テーマ
💡 社内で録画・内製化してもOK。「マネジメント=スキル」だと伝えるだけでも大きな変化に。
② “指示する上司”から“コーチする上司”へ
Gallupは、マネージャーを「上司」ではなく「コーチ型リーダー」として再定義する必要があると述べています。
🎯 明日から試せる!“コーチング型上司”への第一歩
🚀 コーチング研修の第一歩は、「アドバイス禁止で質問だけ」の練習。驚くほど新しい世界が開けます。
③ マネージャー自身が「支えられている」と感じること
Gallupのデータでは、「自分も誰かに見守られている」と感じているマネージャーは、・燃え尽きにくく・部下にやさしく・長く定着する傾向が明確に表れています。
🧩 支援の“仕掛け”3選(コストゼロで実行可能)
📣 「あなたの苦労、ちゃんと見ていますよ」という“メタ承認”が、最も効くメンタルケアです。
🏛 Gallup(ギャラップ)とは?
Gallup(ギャラップ)は、アメリカに本社を構える世界最大級の世論・組織調査機関です。
創業:1935年、90年近く人と組織の調査に特化
活動:大統領支持率の調査から企業向け組織改革支援まで幅広く実施
世界160か国以上・年数百万人を対象に継続的な調査を実施
顧客:Google、Amazon、IBMなどの世界的企業
今回の『State of the Global Workplace』は、企業経営・人事施策・働き方改革の“世界標準の判断材料”ともいえる調査です。
📝 最後に:マネージャーを孤独にさせない職場へ
マネージャーは、単なる「指示役」ではありません。彼らは、企業文化の発信者であり、チームの温度を決める熱源です。
マネージャーが壊れれば、職場が崩れます。でも、彼らを支えれば、チーム全体が呼吸を取り戻します。
「最近、ちょっと元気ないですか?」その一言が、職場の未来を変えるかもしれません。
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マネージャーを支える文化が広がれば、その恩恵は必ずあなた自身にも返ってきます。




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