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産業カウンセラー視点の健康経営をいかすサポート①

「健康経営」と聞くと、「従業員が健康であること」を目的とした取り組みと考える方が多いかもしれません。しかし、健康経営の本質はそれだけではありません。



健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との考えに基づき、健康を経営的視点から捉え、戦略的に実践することを意味します(NPO法人健康経営研究会、2021年)。

つまり、従業員が心身ともに健やかに働くことでパフォーマンスが向上し、企業全体の活性化、ひいては経営の成果へとつながることを目指すものです。

だからこそ、「いきいきとパフォーマンス高く働ける」ための心の健康づくりと職場環境の整備が重要であり、ここに産業カウンセラーの専門性が活かされると考えています。


たとえば、2025年度の健康経営優良法人認定制度の申請項目には、以下のような内容が盛り込まれています:

・50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施(労働安全衛生法に基づく)

・管理職または従業員に対する教育機会の提供

・職場内コミュニケーションの促進に向けた取り組み

・メンタルヘルス不調者への対応に関する施策

これらの取り組みにおいて、産業カウンセラーは企業の実情に即した形で支援が可能です。

特に「メンタルヘルス不調者への対応」においては、予防から復職支援、就業と治療の両立支援まで、多角的な支援が求められます。

2025年度の申請項目には、新たに以下のような取り組みが加わりました:

・従業員とその上長との1対1の定期的な個別面談(人事考課・評価面談を除く)

いわゆる「1on1ミーティング」です。


この1on1を形式的に実施するだけでは、本来の目的を果たせないばかりか、かえってストレスの要因になることもあります。

たとえば、上長が「自分なりに」行うことで、

・面談が評価や指導の場になってしまう

・一方的に雑談をしてしまい、部下の話したいことを聴いていない

・「自分の1on1を部下にどう思われているのか不安」と感じ、実施に消極的になる(勝手に実施をやめる)

といったケースが見受けられます。


また部下側も、

・詰問されたり否定されたりする場だと感じてしまう

・「訊かれたことにだけ答える」という受け身の姿勢になる

といった状況に陥りがちです。

これでは、1on1の本来の目的を果たせません。


効果的な1on1を実施するためには、まず上長・部下の双方が「1on1の目的」「参加する際の姿勢」「どのように活かすか」といった基本的な理解を共有することが不可欠です。

産業カウンセラーは、1on1をラインケアにいかす方法や、部下が話しやすい聴き方等、をアドバイスすることが可能です。

もし「自社の1on1ってこれで良いのかな?」と不安や課題を感じているようであれば、

まずは現状を一緒に整理するところから始めてみませんか?



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