産業カウンセラー視点の健康経営をいかすサポート①
- AKI IMAIZUMI
- 4月22日
- 読了時間: 3分
「健康経営」と聞くと、「従業員が健康であること」を目的とした取り組みと考える方が多いかもしれません。しかし、健康経営の本質はそれだけではありません。

健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との考えに基づき、健康を経営的視点から捉え、戦略的に実践することを意味します(NPO法人健康経営研究会、2021年)。
つまり、従業員が心身ともに健やかに働くことでパフォーマンスが向上し、企業全体の活性化、ひいては経営の成果へとつながることを目指すものです。
だからこそ、「いきいきとパフォーマンス高く働ける」ための心の健康づくりと職場環境の整備が重要であり、ここに産業カウンセラーの専門性が活かされると考えています。
たとえば、2025年度の健康経営優良法人認定制度の申請項目には、以下のような内容が盛り込まれています:
・50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施(労働安全衛生法に基づく)
・管理職または従業員に対する教育機会の提供
・職場内コミュニケーションの促進に向けた取り組み
・メンタルヘルス不調者への対応に関する施策
これらの取り組みにおいて、産業カウンセラーは企業の実情に即した形で支援が可能です。
特に「メンタルヘルス不調者への対応」においては、予防から復職支援、就業と治療の両立支援まで、多角的な支援が求められます。
2025年度の申請項目には、新たに以下のような取り組みが加わりました:
・従業員とその上長との1対1の定期的な個別面談(人事考課・評価面談を除く)
いわゆる「1on1ミーティング」です。
この1on1を形式的に実施するだけでは、本来の目的を果たせないばかりか、かえってストレスの要因になることもあります。
たとえば、上長が「自分なりに」行うことで、
・面談が評価や指導の場になってしまう
・一方的に雑談をしてしまい、部下の話したいことを聴いていない
・「自分の1on1を部下にどう思われているのか不安」と感じ、実施に消極的になる(勝手に実施をやめる)
といったケースが見受けられます。
また部下側も、
・詰問されたり否定されたりする場だと感じてしまう
・「訊かれたことにだけ答える」という受け身の姿勢になる
といった状況に陥りがちです。
これでは、1on1の本来の目的を果たせません。
効果的な1on1を実施するためには、まず上長・部下の双方が「1on1の目的」「参加する際の姿勢」「どのように活かすか」といった基本的な理解を共有することが不可欠です。
産業カウンセラーは、1on1をラインケアにいかす方法や、部下が話しやすい聴き方等、をアドバイスすることが可能です。
もし「自社の1on1ってこれで良いのかな?」と不安や課題を感じているようであれば、
まずは現状を一緒に整理するところから始めてみませんか?
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