top of page
検索

フジテレビ問題からの警鐘：中小企業も“空気優先”を見直すとき


2025年3月、フジテレビの第三者委員会による調査報告書が公表されました。その中で特に注目されたのが「コンプライアンスより“業界ノリ”を優先する空気」が組織を壊していたという指摘です。

「え、テレビ業界の話でしょ？」と思った方。実はこの問題、意外と中小企業にも“あるある”なんです。今回はその危うさと、今日からでもできる改善のヒントをお届けします。



1. “空気がすべて”の職場、ほんとに大丈夫？


フジテレビの中では、「それはルールよりノリで決まる」という独特な文化が根づいていました。報告書には、「相談しても“個人の問題”と片付けられた」「不適切な言動が“その人のキャラ”で済まされていた」など、ゾッとするエピソードが並びます。

でもこれ、ちょっと思い当たる節はありませんか？


  • 「うちはそういうノリだから」

  • 「前からこうだったし、空気壊すのもなあ…」

  • 「それ、言ったら浮くよ」


この“言えない空気”こそが、気づかないうちにトラブルの芽を育ててるんです。


2. 空気やノリで回る職場の落とし穴


一見、和気あいあいで居心地よく見える職場。でもその裏には、こんな問題が隠れています：

☑️ 本音が出せない

  • 若手や少数派が「黙ってた方が楽」と感じるようになってしまう

  • 結果として、課題や違和感が誰にも共有されず、問題が放置される

☑️ 不正・ハラスメントの見逃し

  • 「それ、前もやってたし」→誰も止めない

  • 「あの人、昔からそうだから」→なかったことに

  • 結果的に、ルール違反が常態化し、ある日突然“事件”になる

☑️ プライベートと仕事の境界が消える

  • 飲み会の強制、休日LINE、恋愛トラブルも「社風」でスルー

  • 組織として責任をもてない“私的な関係”が増え、トラブルの温床に


こうした職場では、「正しさ」より「空気を壊さないこと」が優先されがち。結果として、声を上げた人が損をする空気が生まれ、組織の健全性が損なわれていきます。


3. このまま放っておくと…？


中小企業だからこそ、人間関係が密で、空気の影響力が強い。でもそれが逆に、大きな事故につながることも。


🚨 よくあるケース

  • 辞める社員が続出：「何も言えない」「報われない」→静かに離職

  • トラブルが放置される：モヤっとしたまま誰も動かず、炎上してから慌てる

  • SNSで炎上：内部から告発されて、信頼も取引もガタ落ち

  • 経営判断がズレる：「現場の声」が上がってこず、ズレた指示が繰り返される


つまり、空気に支配される職場では、問題が“ないように見える”だけで、実際には水面下でどんどん悪化しているのです。


4. 今すぐできる“空気改革”のコツ


お金をかけず、でも効果はしっかり。そんな対策を紹介します。


✅ 「違和感メモ」置いてみよう（テンプレ例）

  • 社員が気になったことを匿名で書ける「気づきカード」を設置

  • 例：

    • 最近、業務の進め方で気になることは？

    • 気になった言動や場面は？（誰かの名前は書かなくてOK）

  • 集めた内容は、月1回ミーティングで読み上げ共有（読み上げは上司ではなくファシリテーター役が望ましい）


✅ 管理職に「勘で判断しない」チェックリスト（例）

  • 社員からの相談が来たら：

    • それは個人的な問題ではなく、職場環境に関わるか？

    • 同様の事例が他にもあったか？

    • 相談者は“相談”か“助けを求めている”か？

  • 必ず記録を残し、上司に共有するルールに


✅ 「小さな声」を共有するミニミーティング（進め方例）

  • 週1〜月1で15分、部署ごとに「感じたことメモ」を持ち寄る

  • テーマ例：「最近ちょっと気になったこと」

  • 共有は“否定・評価なし”、言った人が損しない空気を重視


✅ 「ノリ」より「ルール」で動こう宣言（仕組み化例）

  • クレーム対応ルール

    • 謝罪 → 事実確認 → 提案 → 上司報告、という流れを明文化

  • 社内対応のルール

    • 「昔からの慣習」「あの人のキャラ」で判断しない

    • 複数人で判断、記録を残す、定期見直しを行う

  • 相談対応ルール

    • 社員相談は必ず記録

    • 同性・異性、役職にとらわれない相談役も設ける


✅ 外部の目をちょっと借りる（敷居を下げた提案）

  • 「社労士」や「商工会」はハードルが高いと感じる場合：

    • 地域の産業カウンセラー（初回無料相談が多い）

    • 経営コンサルタント（創業支援や伴走型支援あり）

    • 地域金融機関のビジネスマッチング担当

  • 月1回、オンライン相談でも十分。話すだけで視野が変わります


5. おわりに


フジテレビの問題は、「自分たちの空気が正しい」と思い込んだ結果の“組織事故”でした。

中小企業でも、「ノリ」「空気」「長年の付き合い」がすべてを上書きしてしまうような場面は、案外よくあります。

でも、いま一歩だけ立ち止まって考えてみてほしいんです。

その“空気”、本当にみんなにとっていいものですか？

空気は大事。でも、空気に流されるのではなく、空気を“整える”こと。それが、今の時代の信頼される会社のカタチです。

小さな違和感を拾うところから始めましょう。

そして、“誰でも声を出せる空気”を、みんなでつくっていきましょう。





Comments

bottom of page