top of page

ストレスチェックを社員はどう思っている?

執筆者の写真: AKI IMAIZUMIAKI IMAIZUMI

皆さんの会社では、ストレスチェックを実施していますか?

今回は、ストレスチェックを「従業員がどう感じているか」について書いてみました。

ストレスチェックの目的と背景

ストレスチェック制度は、職場のメンタルヘルスケアを目的に導入されました。

主な目的は以下の2つです。

・個人のストレス状態を把握し、セルフケアにつなげる

・職場全体の環境を分析し、改善を図る


2015年12月に義務化され、従業員50名以上の事業場では毎年実施が必要です。

中には9回目を迎えた組織もあり、「年中行事」として定着している印象もあります。


従業員はストレスチェックをどう思っている?

従業員の意識については、令和3年度の厚生労働省調査令和3年度 厚生労働省委託事業ストレスチェック制度の効果検証に係る調査等事業 報告書2022(令和4)年3月 みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社)をもとにいくつかのデータを紹介します。


1. ストレスチェックの受検に関する感想

半数以上の従業員が「特に困ったことはない」と回答しており、受検には慣れている人が多いようです。

一方で、約15%の人が「会社に結果を見られているのではないか」と不安を感じていることも分かりました。

実際には、個人の結果は実施者と実施事務従事者だけが閲覧可能で、守秘義務が課せられています。

しかし、このルールが十分に伝わっていないことが、不安を生む要因となっているようです。


2. 正直に答えているか?

調査では、80%の人が「正直に答えている」と回答しました。

ただし、17%の人は「質問内容によっては正直に答えられない」と感じています。

私は「意外と正直に答えている人が多い」という印象を持ちました。

皆さんの印象はどうでしょう?

実際、訪問先の従業員さんや友人に「ストレスチェック、正直に答えてる?」って聞いてみると、ちょっと疑念を持った声を聞くことが少なくありません。

ただ、「正直に答えない」というのも、ある意味、その時の正直な気持ちで、

「会社にはあまり見せたくないな」とか「本当のこと言っていいのかな」という感覚も、

その人のストレス状態を表してるのかもしれません。


効果を感じる従業員とその課題

ストレスチェックが「役に立った」と感じる従業員は70%以上にのぼります。特に、自分のストレスを意識するようになったと答えた人が多く、第一ステップである「気づき」はある程度達成されています。

しかし、次のステップである「気づきを行動につなげる」段階では、行動に移せている人は少数にとどまっています。


職場環境改善の現状と課題

ストレスチェックの集団分析について、「有効だ」と答えた人は20%程度でした。

一方で、「有効ではない」と答える人や「受けていない」と答える人が半数以上を占めています。

また、職場環境改善が管理職主導で行われるケースが多く、従業員参加型の取り組みは少ないことも課題です。

これは、管理職や経営層が努力しても、その取り組みが従業員に伝わっていない現状を示しており、残念な結果といえます。

職場環境の改善には、全員が協力する姿勢が必要です。


ストレスチェックをもっと活用するために

調査結果から、ストレスチェックは「セルフケア」や「職場環境改善」にさらに活用できる可能性を秘めています。

課題を克服するためには以下の取り組みが重要です。


・個人結果の取扱いや目的を明確に伝える

・従業員のフィードバックを積極的に取り入れる

・従業員参加型の環境改善を推進する


ストレスチェックを通じて、会社と従業員が一丸となってより良い職場環境を築くことが大切です。

同時に、企業の担当者さまにとっては、仕事の量的・質的負担が大きな業務でもあります。

私たちはストレスチェック制度に伴う担当者様の負担の軽減、ストレスチェックの活用をサポートしています。

ぜひ、一緒に職場環境の改善について考えてみませんか?



最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page