💢 ストレスが高すぎる職場に未来はあるか?
- 吉田 薫
- 5月2日
- 読了時間: 4分

── “頑張り”より“安心”が求められる時代に
✅ はじめに:「最近、職場の空気が重くないですか?」
「みんなピリピリしてるな…」 「雑談も減ったし、なんとなく張りつめてる」 「頑張ってくれてるのは分かる。でも、楽しそうじゃない」
──経営者や管理職の方が、こんな感覚を覚えるとき、 そこにはある“共通のサイン”が隠れています。
それは、「ストレス」です。
Gallup(ギャラップ)の世界調査によると、 2025年時点で、世界中の職場の2人に1人が“強いストレス”を感じているという衝撃的な結果が出ています。
特に日本を含む先進国・都市部では、職場のストレスが静かに蔓延しています。
そして今、
「ストレスが高すぎる職場は、チームの未来を奪う」
──そう言わざるを得ない状況が来ています。
😖 なぜ“ストレス”はここまで深刻なのか?
多くの経営者が「成果は出てるけど、なんか不安」と感じる背景には、 以下の“見えにくい崩壊”が進行しているからです。
①「動いてはいる」が、考えられていない
判断ミスやケアレスミスが増える
指示を出しても“聞いてない”“通じない”
アイデアや意見が出なくなる
📉 Gallup調査では、ストレスが高い社員は生産性が最大23%低下すると言われています。
②「みんな残ってる」のに、誰も心から働いていない
表向き在籍していても、実は“最低限しかやっていない”人が増える
これをGallupは「静かな退職(quiet quitting)」と呼びます
③「関係が悪いわけじゃない」のに、信頼が消えていく
雑談がない
感情のやり取りがなく、互いに“話しかけにくい”
本音や相談が出てこない=心理的安全性の喪失
④「上司こそ限界寸前」
部下の悩みを聞いても、自分の心がついていかない
「成果」「育成」「人手不足」すべてを背負い、誰にも言えない
実際に、Gallupの2025年調査では、 マネージャーのエンゲージメント(やる気・前向きさ)が大幅に低下。 特に35歳未満の若手マネージャーと女性管理職で深刻化しています。
つまり、「現場も疲れている」が、「マネージャーはもっと疲れている」
これが、いま多くの企業が陥っている構造です。
🔍 なぜここまで“ストレス職場”になってしまったのか?
Gallupの調査と、私たちの現場での実感から言えるのは、 「ストレスは、気合や根性の問題ではない」ということです。
❶ 働き方改革で“効率化”したはずが、なぜか“やることが増えた”
ペーパーレス → 書く手間は減ったが、入力や確認作業が倍増
チャット導入 → 返信の早さが求められ、逆に気が抜けない
❷ リモート化で“柔軟になった”のに、“孤独になった”
雑談・相談・気づきの機会が激減
表情が見えない/声が聞こえない/空気が読めない
❸ 「なんでこの仕事をやってるのか」が分からない
上からの指示はあるが、“目的”や“意義”が見えない
だから、やってもやっても「意味がある感じ」がしない
❹ 「声をあげても変わらない」が常態化
アンケートはあるが、改善された気がしない
提案や相談が“面倒くさい”空気に包まれる
💬 これらすべてが、「自分は大切にされていない」感覚につながります。
✅ ストレス対策の正解は、「気を使う」ことではありません
Gallupが提言しているのは、感情をデータとして扱うことです。
つまり、
測って
防いで
整える
この3つを“仕組み”として回すだけで、職場のストレスは大幅に減ります。
🔸ステップ1:「測る」── いま、みんなの心はどこにある?
週1の「気分アンケート(3択)」で、今の空気を数値化
1on1で「業務より、最近の気持ち」を先に聞く
Slackに「なんとなくモヤモヤしたこと投稿OK」なチャンネルを作る
→ 感情が“共有できる”だけで、ストレスは大きく下がる
🔸ステップ2:「防ぐ」── 予定を出す前に“余白”を作る
「今週やらなくていいこと」を先に決める
指示や依頼に“なぜそれをやるのか”をひと言添える
「完璧じゃなくていい」「8割で進めてOK」と伝える
→ 課題の量より、「自由度」がストレスを左右します
🔸ステップ3:「整える」── “成果”じゃない話をする
毎週5分だけ「雑談だけの会議」を入れる
「ありがとうSlack」を作る(称賛/感謝を見える化)
オンラインでも“飲み会”じゃなくて“コーヒー時間”をつくる
→ ストレスを防ぐのは、「人とつながっている」という感覚です
🌱 最後に:ストレスは“甘え”ではありません
「最近、みんな元気がない気がする」 そう感じたときこそ、職場を見直す最大のチャンスです。
Gallupはこう言っています:
“安心感”がない職場では、成果も定着も生まれない
逆に言えば、
“安心できる場所”さえあれば、人は驚くほど力を発揮できる
📣 この記事を、チームの誰かと共有してみてください。
「ちょっと話そうか」から始まるストレス対策が、 いちばん効果的なのかもしれません。
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