先回、エンゲージメントを向上させる方法として「傾聴」の重要性を説明しました
今回は、傾聴の実践方法と有用性について解説します
実践方法の前に、傾聴の有用性を示すこんな話があります・・・
ある製造工場での話です
製造現場に勤務するAさんは、問題が発生していることに気づきます
機械の1台が別の機械に近すぎるのです
その為、機械間でボトルネックが生じ、製造工程が遅くなっています
その機械を50センチ右に移動すれば問題は解決しますが、その為には「移動→調整→テスト→再起動」の間、4時間使用停止にする必要があります、但し、1日に10%の生産性が向上できることも解りました
早速、その事をマネージャーに伝えに行きますが、そのアイディアは却下になりました
Aさんが「4時間停止」と伝えたところで、マネージャーは会話を一方的に終了して却下しました
マネージャーは「4時間停止」が約700万円の損失になるとを理解したためです
その為、Aさんは「1日に10%の生産性が向上できる」と伝えられませんでした
この工場の生産の10%は約500万円です
Aさんの提案を最後まで聞いていれば1日500万円、月に1億5千万円の生産性向上が見込めました
会社は大きなチャンスを逃してしましました
更にAさんはこのやり取りに憤慨して辞めてしましました・・・・
この1件は、マネージャーがAさんの話に、端から先入観を持ち、聴くことに専念せず、「4時停止」というフレーズにだけ反応して話を遮断してしまったことが原因で大きな損失を出してしまったという話でした
では、どのようにしたら避けられたでしょうか?
それは、先入観を持たず、話を遮断せず、聴くことに専念できていれば避けられたかもしれません
そうすれば、Aさんの話しぶりや表情から、話がまだ終わっていないことに気づけたでしょうし、「1日に10%の生産性が向上できる」という事を知ることが出来たかもしれません
この例からも解るように、「傾聴」とは部下や同僚の話を先入観を持たず、話を遮断せず、聴くことに専念する事を実践することとなります
英国公認人事開発協会(CIPD )の研究によると、マネージャーが傾聴スキルを持っていると認識されている場合、従業員のエンゲージメントが大幅に向上することが報告されています。
従業員は、上司が自分の意見を尊重し、真剣に受け止めてくれると感じることで、仕事に対するエンゲージメントが向上します
また、従業員の意見が尊重されることで、満足度が高まり、結果的にパフォーマンスも向上します
また、人には、動物的本能の最たるものである「自己防衛本能」があります。対話をする際は、この自己防衛本能が「相手は敵か、味方か」を瞬時に感じとろうとします
なので本能的に、「話を聴いてくれない=敵」「話を聴いてくれる=味方」と感じ取ります
「この人は味方だ」と感じられたなら、それは相手を本能的に「好き」であり、「尊敬している」状態と言えます
このように、信頼関係がまだ構築されていない間柄こそ「傾聴」は重要と言えると思います
上司-部下間、同僚間で信頼関係を気づきたいなら、是非、傾聴を実践することをお勧めします
とても重要な傾聴スキルですが、もし、傾聴スキルが無かったらどのような問題が起こるのか?
次回は、傾聴スキルが無い場合の問題について解説します
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